ここでいう「美容クリニックの売れるインスタ投稿フォーマット」とは、
簡単に言えば、患者の決断を後押しするための投稿フォーマットのことだ。
もっと言うと、カウンセリングの前のカウンセリングに近い。
すでに特定の施術に興味がある。
やるかどうかを考えている。
あるいは、どこでやるかを考えている。
そういう患者に対して、最後の一歩を踏み出す材料を渡すための投稿である。
この記事は、超大手のように低単価施術を大量に獲得していくクリニック向けではない。どちらかというと、月50万円〜500万円くらいの広告費で、特定の施術に興味がある人をきちんと予約・来院・成約につなげたい中小美容クリニックの院長向けに書いている。
中小クリニックが戦うべき場所
美容医療の集患をかなり大きく分解すると、こうなる。
全く興味のない人に興味を持たせる
→ 比較検討させる
→ 施術を決断させる
この流れを全部やろうとすると、かなり重い。
特に、まだその施術に興味がない人の思考を動かすには、広告費も時間も必要になる。長期的に何度も接触して、少しずつ認知を取り、興味を作り、検討に乗せていく必要がある。
これは資本力のある大手クリニックなら成立する。
ただ、中小クリニックが同じことを正面からやるのは、かなりきつい。月50万円〜500万円くらいの広告費で、興味づけから決断まで全部やろうとすると、どうしても無理が出る。
だから、戦う場所を絞った方がいい。
全く興味のない人を興味づけするところから始めるのではなく、すでに興味がある人に対して、
比較検討させる
→ 施術を決断させる
この部分に集中する。
要するに、段階を一個減らす。
というより、中小クリニックの場合は減らさないと経営的に厳しい。
投稿の役割は「決断の後押し」
ここまで考えると、インスタ投稿でやるべきことはかなりシンプルになる。
患者の決断を後押しすること。
これに尽きる。
「この施術、気になっている」
「でも怖い」
「他院と何が違うのかわからない」
「自分の場合はどうなるのか想像できない」
「高いけど、本当にやる価値があるのか迷う」
こういう状態の人に対して、判断材料を出していく。
投稿は、ただ綺麗に見せるためのものではない。
ただ症例を並べるためのものでもない。
患者が自分の中で引っかかっていることを、一個ずつ前に進めるためのものだ。
そのために必要な材料は、大きく3つある。
- 比較検討先とのメリット・デメリット解説
- 不安解消
- 症例解説
今回は骨切りを例に出して説明する。
1. 比較検討先とのメリット・デメリット解説
骨切りを検討している患者は、骨切りだけを見ているわけではない。
韓国でやるかもしれない。
日本の他院でやるかもしれない。
顎ヒアルロン酸で済ませるかもしれない。
歯科矯正や抜歯矯正で変えられないか考えているかもしれない。
つまり、患者の頭の中では、複数の選択肢が並んでいる。
だから投稿でも、その比較に答える必要がある。
例えば、骨切りであればこういうテーマが出せる。
韓国の骨切りはなぜ安いのか。
日本国内でも安い骨切りがあるのはなぜか。
顎ヒアルロン酸で変えられる部分と、変えられない部分はどこか。
歯科矯正や抜歯矯正で輪郭はどこまで変わるのか。
骨切りでしか変えにくい部分はどこか。
逆に、骨切りをしなくてもいいケースはどこか。
こういう比較は、患者にとってかなり重要な判断材料になる。
特に骨切りのように金額も大きく、ダウンタイムも長く、人生への影響も大きい施術では、ただ闇雲に「うちが一番です」と言われても決断できない。というか患者はそんなに簡単に騙せない。お客さんというのはいつもどの業界でも厳しい。
それよりも、選択肢ごとの良いところと悪いところを素直に見せた方がいい。
そのうえで、自院がどういう仕上がりを得意としているのかを伝える。
例えば、上品で可愛い顔を目指している。
やりすぎ感のある変化ではなく、自然に垢抜けた印象を目指している。
韓国でやるのと、うちのクリニックでやるとでは、こういったメリデメがある。
骨格を大きく変えるというより、顔全体のバランスを整えることを重視している。
こういう方向性が見えると、患者は「自分が求めているものと合っているか」を判断しやすくなる。
2. 不安解消
施術に興味があっても、患者はすぐに予約しない。
理由は、怖いからだ。怖いといっても色々ある。
- 金額が高い。
- ダウンタイムがある。
- 失敗したら戻せない。
- 顔が変わりすぎたらどうしようと思う。
- 本当にシミュレーション通りになるのか不安になる。
- カウンセリングに行ったら押し売りされるのではないかとも思う。
- もっとコスパの良い選択肢(施術)があるのでは?
だから、不安をそのまま投稿テーマにする。
骨切りなら、例えばこういう不安がある。
- 診断はしてほしいけど、クリニックに行ったら契約を強く勧められるのではないか。
- 術後に腫れた状態で本当に帰宅できるのか。
- シミュレーション通りの仕上がりになるのか。
- 自分のイメージしている顔になるのか。
- 金額が高いけど、分割やモニターは使えるのか。
- 犬あごにならないか。
- 不自然な輪郭にならないか。
- やりすぎた顔にならないか。
こういう不安に対して、先生の言葉で答える。
ここで大事なのは、不安を煽りすぎないことだ。
「失敗すると大変です」
「他院でやると危険です」
「知らないと損します」
みたいな言い方に寄せすぎると、品が落ちる。
それよりも、実際にカウンセリングで患者から聞かれることに、淡々と答える方がいい。
「この不安はよく聞かれる」
「ここは誤解されやすい」
「この部分はシミュレーションで確認できる」
「ただし、完全にそのままになるというより、骨格・皮膚・筋肉の条件を見ながら現実的な着地点を相談する」
こういう話の方が、患者の判断材料になる。
3. 症例解説
症例投稿は、ただビフォーアフターを見せるだけだと弱い。
もちろん症例写真は重要だが、それだけでは患者の決断材料として足りないことが多い。
大事なのは、その症例で何を考え、なぜその施術を選び、どこにこだわったのかを説明することだ。
骨切りであれば、例えばこういう切り口になる。
ガミースマイルの改善。
両顎手術。
Vライン形成。
顎先の形成。
輪郭全体のバランス調整。
そのうえで、術前の状態と悩みを説明する。
術前にどこを気にしていたのか。
横顔なのか、正面の輪郭なのか。
笑った時の見え方なのか。
中顔面や下顔面のバランスなのか。
フェイスラインのもたつきなのか。
次に、その悩みに対してなぜその施術を提案したのかを話す。
なぜ顎ヒアルではなく骨切りなのか。
なぜこの骨の移動量なのか。
なぜ両顎なのか。
なぜVライン形成なのか。
なぜ削りすぎない方がいいのか。
ここがあると、症例がただの写真ではなくなる。
患者は、自分に置き換えて考えられるようになる。
「あ、この人はこういう悩みだったから、この施術になったのか」
「自分の場合も、似たような相談ができそうだな」
「この先生は、ただ変化を出すのではなく、理由を持って提案しているんだな」
そう感じてもらえる。
さらに、術中での先生のこだわりも投稿に入れられる。
どこを削りすぎないようにしたのか。
どの角度から見た時のラインを重視したのか。
正面だけでなく横顔とのバランスをどう見たのか。
可愛さを出しつつ、不自然にならないようにどこを調整したのか。
こういう情報は、先生本人からしか出せない。
だから強い。
まとめ
中小の美容クリニックがインスタでやるべきことは、全く興味のない人を無理に興味づけすることではない。
すでに施術に興味がある人に対して、比較検討から決断までの距離を縮めることだ。
そのために必要なのは、派手な投稿というより、患者の判断材料になる投稿である。
比較検討先とのメリット・デメリットを説明する。
患者が抱えている不安に答える。
症例を、写真だけでなく考え方まで含めて解説する。
この3つを積み重ねると、インスタは単なる発信ではなく、カウンセリング前のカウンセリングになる。
特に骨切りのような高単価で不安も大きい施術では、患者が知りたいことを先に出しておくことが、そのまま予約や相談の後押しになる。
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